成年後見って何でしょう?
成年後見は、認知症・知的障がい・精神障がいなどで判断能力が十分でない方を対象に、本人の権利を守る援助者(成年後見人等)を選ぶことで、本人を法的に支援する制度です。
福祉・医療・介護サービス等の各種お手続きや契約行為、財産管理や日常的な金銭の管理などについて、本人の意思をできるだけ尊重しつつ、安心して生活が送れるように本人の保護や支援を行います。
私たちの後見業務への取り組み
私たち、司法書士法人あおぞら合同事務所は、成年後見創成期より専門職後見人としての活動を開始し、法や社会から求められる「使命」に忠実であるように努めてきました。また、これまでの数々の後見人としての取り組みの中で、幾多の問題に直面しながらも、それらに誠実に向き合い、乗り越えて、今日まで着実に歩みを進めて参りました。豊富な経験によって培われた後見人としての広い見識を、今後の後見分野における活動の礎に、ご本人はもとよりご家族にとっても心から安心していただける専門職後見人として、100年先の未来においても後見制度の担い手でありたいと強く願っています。
私たちの自信① /「法人という安心」
現在、活動している専門職後見人の多くは「個人」です。そのため、後見人に万一のことがあれば、ご本人に関する後見業務(財産管理・身上監護)は停止し、新たな後見人を選任する必要性が生じます。
このように、守られる立場のご本人側の問題ではなく、本来、守る立場にある後見人側の事情でご本人に不利益や不都合が発生する事は避けねばなりません。 その点、私たちは「法人」として後見人をお引き受けしているため、仮に、担当者に万一の事が起きたとしても、後見人である法人自体に変化は無く、それまで通りの後見業務を遂行するものであり、担当者である個人の司法書士の事情に左右されることはありません。
私たちは、後見制度が「誰のための制度なのか?」を最重要課題と認識し、ご本人に一生涯を通して安心できる暮らしを送っていただくために、「100年先も今とかわらぬ法人」として、みなさまの安心にお応えできる体制維持、そして更なる発展に全力で取り組んでいます。
私たちの自信② /「明確な視点」
後見制度をご利用になる方にとって「ご本人の自己決定権の尊重」に、最大限配慮した活動を行っています。
後見制度利用を考えるケースとしては ①加齢により近い将来のご自身の判断能力の衰えに不安を感じている ②既にご高齢で認知症を発症している方がご家族内にお見えになる ③知的障がい・精神障がいのある子どもを持つ親が抱える「親なき後問題」の三つが主に挙げられます。私たちは、何れの場合においても、ご本人やご家族が何を望まれているのかを常に考え、制度利用者の立場を最優先に活動します。
2種類の後見制度
成年後見には「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。
法定後見制度
- 認知症の親の代りに銀行へ行ったが、貯金を引き出す事ができず成年後見の利用を勧められた。
- 遺産分割協議を行いたいが、相続人の中に判断能力が低下した人がいる。
判断能力がすでに不十分な方のために法定後見制度を利用
今現在、判断能力が不十分な方を対象に申し立てをします。
任意後見制度
- 将来判断能力がなくなった時の事が心配だ。
- 出来るだけ自分の希望に沿った支援をしてほしい。
- 自分が認知症になった時に、財産管理を頼みたいと考えている。
- 判断能力が十分なうちに、将来に備え任意後見制度を利用しましょう
本人の判断能力が不十分な間に将来の判断能力の低下に備え、予め後見人となる者や支援者等を本人の希望に沿って決め、公正証書により契約をし、東京法務局にも登録されます。
将来、判断能力が低下した場合は、法定後見と同様、任意後見契約による支援が始まります。
法定後見制度3類型について
後見 | 保佐 | 補助 | |
対象者 | 精神上の障害により 事理を弁識する能力が 欠く常況にある者 |
精神上の障害により 事理を弁識する能力が 著しく不十分な者 |
精神上の障害により 事理を弁識する能力が 不十分な者 |
申立権者 | 本人、配偶者、四等親内の親族、検察官、市町村 | ||
同意権 取消権 |
日常生活に関する 行為以外の行為 |
民法13条1項に 定める行為 |
民法13条1項に 定める行為の一部 ※本人の同意が必要 |
代理権 | 財産管理権全般 | 申立ての範囲内で 家庭裁判所が定める特定の法律行為 ※本人の同意が必要 |
|
責務 | 本人の意思尊重義務・本人の身上配慮義務; |
後見人の職務について
財産管理
- 現金、預貯金、証券、不動産の管理等をする。
- 本人の利益に反して財産を処分することは出来ない。
身上監護
- 介護サービス提供者、本人支援者等と契約をし、それらの仕事を監督する。
- 病院、施設への入退所手続きや、支払いをする。
職務には含まれないもの
- 保証人や身元引き受け人になること。
- 医療行為の同意。
- 介護や買い物、掃除洗濯など。
- 葬儀を出したり、死後の事務を執り行うこと。
成年後見 / Q&A
成年後見について、お客様からご質問の多い内容をまとめてみました。是非ご一読ください。
- Q1 申立費用は幾らかかりますか?
- 診断書や添付書類の取得、印紙や切手代等で約2万円程度です。鑑定が必要な場合や、申立書類作成を専門家に依頼すると別途費用が発生します。
- Q2 専門職後見人の報酬は幾らですか?
- 本人の財産、後見人の仕事内容を考慮して家庭裁判所が決めます。法定後見の場合、予め報酬額は決まっているものではなく、東京家庭裁判所が公表するデータでは、目安として財産が1,000万円以下の場合、月約2万円です。
- Q3 後見人にはどうしたら選ばれるの?
- 裁判所が審判により選任します。申立人が後見人候補者の希望を出すことは可能ですが、総合的に判断し最終的に家庭裁判所が決定します。親族以外では、司法書士、社会福祉士、弁護士等が多く就任しています。
- Q4 訪問販売で高額な商品を買わされたようですが?
- 大丈夫です。後見人には取消権がありますので、既に、本人が後見人の同意を得ることなく、高額商品の購入契約をしてしまっている場合、更に、その商品の引渡しを受けている場合でも、購入した商品が日常生活に関するものでない限り後見人は取消権を行使して、契約を取り消す事が可能です。
- Q5 成年被後見人になると選挙権がなくなるの?
- 平成25年7月以降に公示、告示される選挙から、成年被後見人は選挙権・被選挙権を有することになりました。
- Q6 成年後見人等が就いた場合、他人に知られるの?
- 後見開始等の審判が確定したら、東京法務局にて後見登記がなされることになります。但し、この後見登記事項に関する証明書の交付申請が出来る者は、本人や成年後見人等、本人の四親等内の親族などに限られており、プライバシー保護にも十分配慮されております。
- Q7 任意後見契約ではどんな事を契約できるの?
- 次のようなことについて契約で決めておくことが可能です。
- 後見人を誰に頼むか
- 後見人の報酬をいくらにするか
- 預金や不動産等、資産の管理をどこまで頼むか
- 将来在宅での生活が難しくなった時に、どのような施設に入りたいか