司法書士法人あおぞら合同事務所

 
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相続・遺言

民法の規定による法定相続人の順位・法定相続人の範囲

遺産を誰が相続するかは、遺言がある場合とない場合とで大きく異なります。 まず、遺言がある場合、遺産は、原則として遺言で指定された人が指定されたとおりに相続します。 この場合、相続人や受遺者の間の遺産分割についての話合い(遺産分割協議)は、遺言の内容にもよりますが原則として不要となります。

次に、遺言がない場合、あるいは遺言が法的に有効なものでない場合には、民法の規定により、相続人になれる人の範囲と順位が決まります。
この民法の規定により相続人となる人のことを『法定相続人(ほうていそうぞくにん)』と言います。
法定相続の場合には、法定相続人の間の遺産分割協議により遺産が分割されることになります。

もし、内縁の妻や長男の嫁、叔父・叔母などに遺産を残したいのであれば、これらの者を受遺者とする遺言書を作成する必要があります。

相続手続き開始から〜相続登記まで

民法の規定により法定相続人になれる人は、配偶者(法律上の夫または妻)、子(直系卑属)、父母(直系尊属)、兄弟姉妹(傍系血族)の4種類の立場の人です。ですから、遺言がない場合には、内縁の妻や夫はもちろん、たとえ親族であっても長男の嫁や叔父・叔母などは遺産を受継ぐことができません。 もし、内縁の妻や長男の嫁、叔父・叔母などに遺産を残したいのであれば、これらの者を受遺者とする遺言書を作成する必要があります。

① 相続手続きの流れ
死亡 通夜・葬儀・告別式
1週間以内 死亡届の提出
銀行預金の封鎖・クレジットカードの使用停止
各種公共料金の名義変更
遺言がないか確認
遺産の確認
四十九日の法要・香典返し
納骨
2か月内 遺言書の検認
3か月内 相続放棄の申立
遺産分割協議
被相続人の地方税、固定資産税等を納付
4か月 形見分け
遺産分割協議書作成
所得税の準確定申告
不動産の所有権移転
10か月 相続税の申告・納付
② 遺言書の有無の確認
遺言書が見つかった場合、勝手に開封してはいけません。 遅滞なく家庭裁判所に提出し、相続人またはその代理人の立会のもとで開封する「検認」という手続きをしなければなりません。
検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状、加除訂正の状態、日付、署名など 検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続です。
遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。
万一、遺言書を勝手に開封したり検認手続を経ずに遺言を執行してしまうと、5万円以下の過料に処せられます。
③ 検認の手続き
検認の申立ては亡くなった人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に遺言書検認申立書に必要書類を添付して申し立てます。

必要書類
(1) 申立人・相続人全員の戸籍謄本
(2) 遺言者の戸籍(出生から死亡までのすべてのもの、除籍・改正原戸籍含む)
遺言の検認は、遺言の有効性を判断するためのものではありません。
相続人に遺言書の存在や内容を知らせるという意味と、以降の偽造や改変を防止するためのものです。
遺言書の有効性は、法律的判断となり、遺言の検認をしたからといって遺言書が有効であるということにはなりませんのでご注意ください。

④ 相続財産の確認
相続する財産は、相続開始のときに被相続人の財産に属した一切の権利・義務となります。 よって、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産も相続することにご注意下さい。

プラスの財産 (積極財産)

(1) 不動産、借地権、借家権
(2) 動産 (現金、自動車、貴金属等)
(3) 債権 (銀行預金、貸付金)
(4) 有価証券 (株式、小切手、社債、国債)
(5) その他 (著作権、ゴルフ会員権)

マイナスの財産(消極財産)

(1) 借金 (借入金、買掛金、未払い家賃等)
(2) 税金 (未払いの所得税、住民税、固定資産税等)

⑤ 相続人の確定
遺言書が有る場合は原則、遺言書のとおりに遺産は分割されますが、遺言書がなかった場合は、民法により、相続人となる人が規定されています。この相続人を「法定相続人」と いいます。

順位 第1順位 第2順位 第3順位
相続人 配偶者は常に
相続人になります
兄弟姉妹
法定相続分 配偶者2分の1
子2分の1
配偶者3分の2
親3分の1
配偶者4分の3
兄弟姉妹4分の1

①配偶者は常に相続人になります。ただし、内縁や事実婚の場合は、どれだけ長く連れ添っても民法上の相続権はありません。

②子がいる場合は、子と配偶者が相続人になります。配偶者が死亡している場合は、子が全部相続します。

※子については、嫡出子、非嫡出子、養子、胎児の区別なく相続権が発生します。
※子が死亡していて孫がいる場合は、子の相続分を孫が相続します(代襲相続)。

③子や孫がいない場合は、親(直系尊属)と配偶者が相続人になります。配偶者が死亡している場合は、親が全部相続します。

※養子縁組している場合、養父母と実父母の区別はなく、両方について相続権があります。
※親が死亡していて祖父母がいる場合は、親の相続分を祖父母が相続します(代襲相続)。

④子や孫、親などのいずれもいない場合は、配偶者と兄弟姉妹が相続人になります。配偶者が死亡している場合は、兄弟姉妹が全部相続します。

※既に亡くなっている兄弟姉妹がいる場合は、その子(被相続人の甥、姪)が代襲相続します(甥、姪が亡くなっている場合、代襲相続は打ち切りになり、甥、姪の子たちには相続権は発生しません)。

⑤配偶者以外の同順位の相続人が2人以上いる場合、その相続人の持分は原則として均等になります。

⑥ 相続放棄
相続する財産はプラスの財産だけでなく、借金等のマイナスの財産も相続してしまいます。
明らかに借金などがプラスの財産を上回っている場合には、相続放棄することで、債務の承継を免れることができます。

相続放棄手続き

相続放棄をするには、被相続人が生前住んでいた場所を管轄する家庭裁判所に相続放棄申述書に必要書類を添付し、提出することが必要です。
ただし、上記申述は相続人が相続開始を知ったときから3ヶ月以内に、家庭裁判所に申述をしなければなりません。

⑦ 遺産分割協議書作成
被相続人の死亡により相続財産は遺言書があればそのとおりに、遺言書がない、もしくは遺言書に分割方法の記載がない場合や曖昧な場合、遺産分割協議を行います。そして遺産分割協議の結果を書面にしたものを遺産分割協議書といいます。

遺産分割協議書の作成は強制ではありませんが、現実問題として不動産・預貯金・自動車などの相続手続には遺産分割協議書の提出が求められるため作成しておく必要があります。また、口約束だけの合意では証拠にならないため、後々になって争いの火種になることも少なくありません。後日の紛争を回避するためにも協議で合意した内容は分割協議書として書面で残しておくことをお勧めします。

遺産分割協議書作成にあたり必要な事項は以下の3つです。

  1. 誰が、なにを、どれだけ相続したかを正確に、具体的に明記する。
  2. 各相続人が署名と実印の押印をし、印鑑証明書を添付する。※署名は必ず自筆する必要があります。
  3. 相続人が未成年の場合、未成年者の代わりに遺産分割協議に参加した法定代理人が署名・押印する。

遺産分割協議書は、一度作成するとよほどの事情がない限り作り直すことができないため、慎重に作成する必要があります。また、相続税がかかる場合は、相続開始から10ヶ月以内に申告・納付する必要があるので、それまでに遺産分割協議を終え、遺産分割協議書を作成しておくようにしましょう。

⑧ 相続登記の必要性
相続や遺言のご案内
不動産の所有権の登記名義人であった人が亡くなると、その時点で所有権は相続人に移転します。その権利移転の効果を登記に反映させるのが、相続による所有権移転登記です。

相続登記をしておかないと次のようなリスクが生じてきます。

1.遺産分割協議が整わない可能性がでてくる。

例えば、Aさんが亡くなり、B、Cさんが相続人であった場合、B、Cさんが遺産分割協議をすればいいのですが、もし、相続登記をしないまま、Bさんが死亡してしまった場合、Bさんの相続人であるD、E、Fさんとも遺産分割協議をしなければならなくなってしまいます。
遺産分割協議は相続人が多ければ多い程もめる可能性が高くなりますし、登記手続きに必要な書類も多くなってしまいます。

2.不動産を勝手に処分されてしまう可能性がある。

例えば、Aがさんが亡くなり、B・Cさんが相続人となった後に、Aさんの不動産はBさんがすべて相続するという遺産分割協議をしたとします。
しかし、Bさんがその登記をしないでいる間にCさんが勝手にB・C共有名義で法定相続分の登記をし、さらにDのためにCさんの持分に抵当権を設定したとします。
Bさんとしては、不動産を全部相続したと思っていたわけですが、このような事例では、BさんはDさんに対して抵当権が無効であると主張することはできません。
遺産分割協議をして、自分の法定相続分を超える持分を取得することになっても、その持分は、登記をしておかないと第三者には対抗することができないのです。

3.書類が複雑になり、費用が多くかかってしまう可能性がある。

登記手続きをするにあたり、法務局に相続があったことを証する書類(戸籍謄本、戸籍の附票、住民票等)を提出しなければならないのですが、この書類の保存期間は決まっているため、取得できない可能性が出てきます。
また、(1)でも記載したとおり、相続人が増えればその分必要書類も増えるため、手続費用も増加してしまいます。

⑨ 相続登記手続き
相続登記とは簡潔に言えば、「亡くなった人が持っていた不動産の名義変更」のことです。この名義変更は法務局に申請します。但し、所有権だけでなく地上権や賃借権・(根)抵当権についても相続登記する必要があるので注意が必要です。
相続登記には、特に期限はなく罰則もありませんが、きちんとしておかないと思わぬ不利益を被るおそれや、時間が経つにつれ手続がどんどん煩雑になることがある(※相続登記の必要性参照)ため、すみやかに行いましょう。

相続登記には一般的には以下の書類が必要です。

被相続人に関する書類

  1. 戸籍謄本等(被相続人の12歳頃から死亡した記載のあるもの全て)
  2. 住民票の除票または、戸籍の附票の除票

相続人の方の書類

  1. 法定相続人全員の戸籍謄本
  2. 遺言書または遺産分割協議書(法定相続人全員の印鑑証明書付)法律で定められた相続分以外の割合で相続をする場合に必要です。
  3. 不動産を取得される方の住民票
  4. 相続する土地建物の登記事項証明書、固定資産税評価証明書

※相続人を確定するために上記書類が必要です。転籍や婚姻をしている場合、転籍前や婚 姻前の本籍地所在地の市区町村で、除籍謄本や改正原戸籍をも取得する必要があります。遠方であるため、取り寄せが困難な場合や、多忙で収集が困難な場合は当方で収集することも可能です。

場合によっては他の書類が必要な場合もありますので、詳細はお問い合わせ下さい。

遺言の執行

遺言の必要性

遺言をすることにより、自らの意思を相続人に伝えることができ、遺産相続争いの防止に繋がります。

また、下記のような場合は特に遺言を作成しておくことが必要です。

  1. 法定相続人以外へ遺産を残したい (内縁の妻、婚外子、連れ子、息子の妻、娘の夫)
  2. 法定相続分とは異なる割合で財産を分配したい
  3. 法定相続人に遺産を残したくない
  4. 遺言で子供を認知したい
  5. その他相続人に対し、特別な希望がある

遺言の方式

遺言の方式は大きく分けて3種類あります。

1. 自筆証書遺言

遺言者本人がすべて自筆で書くので、秘密が守られ費用もかかりませんが、偽造・変造・滅失のおそれがあり、形式的不備等による遺言無効のリスクもあります。
証人は不要ですが、本人の死亡後、家庭裁判所の検認が必要です。
原本1通しかないため、これを紛失したり、棄損によって判読不可能となれば、遺言が存在しなかったことと同じ状態になってしまいますので注意が必要です。

2. 公正証書遺言

遺言者が公証人に口述し、公証人が筆記して、遺言者と証人に読み聞かせて作成します。
原本は公証役場に保管され、遺言者には正本・謄本が交付されます。
証人は2名以上必要ですが、検認は不要です。
偽造・変造・滅失などのおそれがありません。

3. 秘密証書遺言

遺言者または代筆者が遺言書を作成し、それを封筒に入れたまま公証人に申述をし遺言者が保管する遺言です。証人が2名以上必要で、検認も必要です。
偽造・変造などのおそれは少ないですが、紛失、発見されないおそれがあります。
又、公証人も遺言内容を確認できないため、形式不備等による遺言無効のリスクもあります。

※当事務所では、安全で確実な公正証書遺言をお奨めしています。

遺言の執行

遺言を作成しても、当然に遺言書のとおりに遺産分割がなされるわけではありません。遺言を作成する場合、当事務所では、遺言執行人を選任しておくことをお奨めしています。

遺言執行者とは

遺言の執行を行う者、相続財産の管理、その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する者です。

遺言執行者の役割

遺言のとおりに遺産を分けることが役割であり、遺言執行者が選任されていると、 相続人は勝手に相続財産を処分することができなくなり、 相続人間の争いを避けスムーズに遺産をわけることができます。
遺言で子供を認知する場合、相続人の廃除・取消しの場合は、必ず遺言執行者が必要となってきます。
また、それ以外の財産執行の場合であっても、複数の相続人の間で利害が対立し、 円滑に遺言を執行できない時も多々あります。
相続手続きや相続財産の移転登記まで一貫して行え、 利害関係調整役となれる専門家を指定しておくことをおすすめいたします。

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